【1/4 ウォール街に牛走る】


 世界の金融の中心地・ウォール街のブロードストリートを10頭の牛が勢いよく駆け抜けました。
アメリカのほとんどの企業や官公庁が初仕事となった4日、ニューヨーク株式市場も新年最初の取引。その新年を祝うイベントでの一こまです。


ウォール街と牛…。一見なんの関係もなさそうですが、「牛」を意味する英語の「ブルズ」には「強気の株の買い手」という意味もあり、ブルズはウォール街ではお守りのような存在となっています。
ブロードウェイの一角にあるブルズの巨大な置物には、株価アップを願うビジネスマンが毎朝触りにくる光景も見られます。この日の朝の気温はマイナス5度。大勢の投資家や市場関係者が集まって、
「今年も株をぐいぐい引っ張って!」と験(げん)をかつぎました。


  

 株の取引が行われるのはニューヨーク証券取引所。NYSEです。きょう発表された統計によれば、1998年の1日あたりの平均の株式出来高は前の年より28%増の6憶7360万株と前年に続き史上最高を記録、上場企業の株式時価総額も98年末現在で13兆5千ドル・約1500兆円と史上最高になったそうです。書いている本人もピンと来てませんが、要は、アメリカ最大の株式取引所なんです。ニューヨークに来られる機会があればぜひここを訪れることをお勧めします。
 


中に入ると場内全体が活気に満ちあふれていて、張りつめた空気が漂っています。特に株が暴落したときなど、場内は騒然として一見の価値ありです。無料の見学ツアーが月曜日から金曜日まで行われています。取引が始まる午前9時半前、そして取引の終わる午後4時前が動きがあってお薦めの時間帯です。
 1903年に立てられたNYSEは、老朽化が進み、手狭になったため、一時、川を隔ててニューヨークの向かいにあるニュージャージー州への移転のうわさがありました。
 「ウォール街がウォール街でなくなってしまう!!」。ニューヨーク市民が反対した結果、今のNYSEの向かいに建設する取引ビルに移転することが先月決まりました。
 新ビルは2001年に着工、2004年には使用を開始できる見通しだそうです。賃貸料は年間1000万ドル。
 これでNYSEは、今後50年間はウォール街にとどまることが確定しました。
 ニューヨークのシンボルのニューヨーク残留に、ジュリアーニ市長が「市と取引所の関係を21世紀に向けて継続できてうれしい」と述べたのをはじめ、大多数のニューヨーク市民は歓迎しているようです。
 「今年のアメリカ経済は緩やかに減速するものの、若干の成長率は確保する」というのが大方の市場関係者の見方で、今年もこのNYSEで悲喜こもごものドラマが展開されることになりそうです。