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アメリカ最大のイベント・スーパーボウル

NFL・アメリカナショナルフットボールリーグの年間チャンピオンを争う第33回スーパーボウルが31日、フロリダ州マイアミで行われました。



 試合は、デンバー・ブロンコスがアトランタ・ファルコンズに
34対19で快勝し、2年連続2回目の優勝を果たしました。スーパーボウルはプロスポーツのチャンピオンシップという事象を超えて、「アメリカ国民の年間行事の一つ」と言われ、その規模は何から何までけた違いです。
 去年ニューヨークで大リーグのワールドシリーズを観ましたが、スーパーボウルは街の盛り上がり方など、「別格」といった感じです。
 その一端を紹介すると、試合の模様はアメリカをはじめ世界187か国と地域に17の言語で放送され、約8億人が観る。テレビ視聴者はアメリカだけでも1億人以上。視聴世帯の3分の2以上がチャンネルを合わせる。視聴率は毎年40%以上。アメリカテレビ史上視聴率ベスト30のうち、26番組はスーパーボウル。試合中に流されるCM料金も破格で、30秒で160万ドル。約1億9200万円。1秒間になおすと約617万円。



グッズの売り上げなど地元にもたらす経済効果は今年の場合、推定で約430億円。など、スーパーボウルが「アメリカ最大のイベント」と言われる理由はこんなところにあります。
スーパーボウルは1月の最終日曜日に行われますが、関連イベントは選手が到着する1週間前から始まります。
 この期間は、スーパーボウルウイークといわれ、様々なパーティーやフットボール関連のアトラクションなどの各種イベントが始まり、雰囲気を盛り上げます。テレビでは過去の試合や出場選手の近況などを放映し、職場や家庭ではスーパーボウルの話題で持ちきりなんだそうです。




 マイアミの街を歩くと、「チケット買います!」と書いたプラカードを掲げる人たちがたくさんいました。チケットのあてもなくマイアミに来た人たちです。この現象は直前まで続き、試合が始まる10分前になっても、スタジアムの周りには、チケットを買いたい人たちが看板を掲げ、道行く人に声をかけていました。
 ダフ屋の間では、元は4万円ほどのチケットが約40万円で取引されていると聞きました。



スーパーボウルウイーク期間中、マイアミには20万人以上が訪れました。ほとんどが試合の入場券を持っておらず、スーパーボウルの雰囲気に浸るためだけに来た人たちです。周辺のホテルは満杯で、宿泊料金は2倍から4倍に跳ね上がります。レンタカーもほぼ2倍の料金でした。



 中でも熱狂的なファンはスタジアムの周りに、キャンピングカーを停め、バーベキューをしながら試合をテレビで観戦します。「テイルバック・パーティー」と言われるスーパーボウル恒例のファンの楽しみです。 今回は1000台以上のキャンピングカーが集まり、ファン達は試合が始まると、スタジアム内も真っ青の、ものすごい歓声で応援をしていました。


 試合当日の午後、スタジアムの駐車場を通りかかった私は異様な光景を見ました。前の日までは普通の車しかなかった駐車場が、豪華な高級リムジンで埋まっていたのです。駐車しているほとんどの車がリムジンといっても過言ではありません。
 これはチケットの割り当て方と大きな関係がありました。
 今回試合が行われたプロ・プレイヤー・スタジアムは7万4000席あります。そのうち一般の人が公式に買うことができるチケットの数は、たったの1000枚。まさに「宝くじ」です。それ以外の98%のチケットは、NFLやチーム関係者、地元チーム、参加チームなどの関係者が独占しているのです。チケットは企業に流れたり、接待に使われるそうです。世界中が注目する試合をスタジアムで見ることができるのは企業幹部やVIP、その知り合いなどがほとんどということになります。



 試合も終盤の第4クオーター。一方的な試合になったためかどうかは分かりませんが、試合を見ていた人たちがスタジアムから出て、リムジンで帰っていく姿が多く見られました。
 その一方で、スタジアムを目の前にして、テレビ観戦をしているファンは必死に応援を続け、ゲームを楽しんでいました。試合を見ることができた人達が本当のフットボールファンかどうかを勘ぐるのは余計なおせっかいですが、この二つのコントラストは奇妙に映りました。
 チケットが限られた人たちにしか手に入りにくい仕組みになっているスーパーボウル。もっと一般のファンに試合を生で見る機会を提供しても良いのでは・・!?。
 「ごく少数の人が、大部分の富を享受するアメリカ・・・」。その構図がスーパーボウルにもある、と書くのはちょっと強引かもしれませんが、「国民的大行事」というわりには、あまりにもファンを軽視したチケット配分の仕組みだなと思いました。

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