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ニューヨーク酔っぱらい運転規制

 ニューヨーク市は、飲酒運転による事故を減らすため、たとえ検挙されるのが初めてでも、飲酒運転をした車を差し押さえ、有罪であれば没収するというアメリカでも最も厳しい対策を始めました。
2月22日午前零時から始まった取り締まりでは、すでに10人以上が逮捕され、その車が没収されました。
 これはニューヨーク市警が深刻な飲酒運転の事故防止対策として始めたものです。ドライバーの血液から0・1%以上のアルコールが検出されれば、たとえ、飲酒運転で検挙されるのが始めてであっても車を差し押さえ、有罪が確定すれば、その車を市が競売にかけて売ってしまいます。車のローンが残っている場合、没収されてもローンは払い続けなければなりません。容赦なしの厳しい取り締まりです。
 0・1%のアルコールというのは、だいたい男性であればビールを5杯、女性ならビール3倍を1時間以内に飲んだ量に当たるそうです。飲酒運転の車を没収することは、アメリカで22の州が認めていますが、没収するのは、飲酒運転を何度も繰り返したときだけです。ニューヨーク市のように飲酒運転が初めてでも車を没収するという厳しい対策はほかに例がありません。



 かつては鬼検事として鳴らしたジュリアーニ市長は、市長になった5年前から様々な厳しい規制を作って、犯罪都市ニューヨークの汚名返上に努めてきました。たとえば、マフィアの温床になるとしてポルノショップを閉め出したり、



 混雑の元になるという理由でホットドッグなどの街の屋台を一部の地域から閉め出しました。
 さらにタクシー運転手の交通違反に最高1000ドルの罰金を科したり、信号無視や危険な横断をした歩行者に対する罰金を大幅に引き上げるなど、徹底した取り締まりを行ってきました。
 「自由の象徴」だったニューヨークが、「規制社会」に変身している、と皮肉を言う人もいます。





しかし、治安という面では、効果は目に見えて現れ、去年の殺人事件の数はピーク時と比べて3分の1に減るなど治安は大幅に良くなっています。(12月24日NY便り参照)
 その元にあるのが、「小さな犯罪を放置していると、市当局の目が及ばないと受け取られ、いずれ大きな犯罪につながる」という考え方です。今回の酔っぱらい運転に対する規制も、一連のジュリアーニ市長の規制強化の一つです。
 この対策について市民の間では支持する意見も上がっているものの、飲酒運転を理由に個人の所有物を取り上げるのは、権力の乱用で法律に違反するとして、市民団体が訴訟を起こす構えを見せています。


 また、アルコールをはかる装置が正確なものかどうかという議論もでています。今回、規制値をわずか0・01ポイント上回ったとして逮捕されたポーランド人の男性は、車を没収されたばかりか、勤務先から解雇されたり、ポーランドに強制送還される恐れもでています。
 さらに、売っても5万円くらいにしかならないポンコツ車を没収されるのと、1000万円もするベンツを没収されるのでは、格差がありすぎるという苦情も寄せられているそうです。
 始まったばかりのニューヨーク市の酔っぱらい運転追放作戦は今後様々な形で議論を巻き起こしそうです。

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