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パフォーマンスのオーディション

競争率20倍…。
地下鉄という舞台の争奪戦が今年も始まりました。
地下鉄や路上でのパフォーマンスは、ニューヨークの風物詩といっても過言ではあり
ません。



この、一見自由に見えるパフォーマンスには厳しいテストに合格しなければならないと言う決まりがあります。

 5月24日、グランドセントラル駅で行われたオーディションは
ミュージシャン達にとって、年に一度の大イベントです。
応募したのは約200組。コーラス、民族音楽、ジャズ、ポップス、手品…と
多民族都市・ニューヨークならではの顔ぶれです。




 オーディションは朝から晩まで行われ、合格すると「MUSIC UNDER NEWYORK」と書かれた許可書がもらえ、市内約30か所で演奏する権利が与えられます。
 この許可書なしで演奏した場合、150ドルの罰金が科されるようです。
ニューヨーク市の当局が、地下鉄でパフォーマンスするグループを選び、
管理するようになったのは12年前からです。
 一部の市民からは、「表現の自由に反する」とか、「芸術に対する規制の強化だ」などと、反対する声もありますが、一定の規定を設けたことで、地下鉄の治安が改善され、世論調査では70%以上の市民がこの規制に賛成しています。



ミュージシャンのウェンディーさんは
もう10年以上地下鉄の構内などで歌っています。 
 現在認可を受けている124組のグループの中で、最も長く活動している一人です。
 以前、教師だったウェンディーさんは、オーディションに受かったことをきっかけに、本格的に音楽活動を始めました。今ではCDを出すまでになりました。
演奏するのは週に3回。50キロ以上の機材を自宅からグランドセントラル駅まで地下鉄で運びます。
 ウェンディーさんが演奏するグランドセントラル駅は、1日約50万人が利用する地下鉄網の中心地です。
路上でのパフォーマンスの魅力は、不特定多数の人にメッセージを発信できることです。
 私が訪れた日には、通行人の一人からレストランでの演奏を頼まれていました。
ウェンディーさんは、「自分がニューヨークの一部のような気がするし、競争の激しい世の中に少し潤いを与えられれば…」と地下鉄パフォーマンスの魅力を話してくれました。



一日約150万人もの人が訪れ、アメリカで一番混雑するタイムズスクエアー。
この地下鉄構内でジャズを演奏する日本人、三浦良樹さんの姿がありました。



ウィークデーは地下鉄、週末にはライブハウスで演奏します。
三浦さんが一日3時間の演奏で手にするチップは50ドル。約6000円です。
中には一日5万円以上稼ぐグループもある中で、この額は決して多くはありません。
三浦さんは、「普通のクラブだとそこにいるお客さん、例えば40人とかそのくらいの人数だが、地下鉄の公共の場だと、3時間の間に何万人も通る。そういう人に聞いてもらえる」
と、限られたスペースにはない大きな魅力を強調していました。



オーディションの結果は、6月の上旬に発表されます。演奏のレベルとユニークさ、それに公共の場に相応しいかなどが採点の基準です。
そして本格的な夏を迎える頃には、オーディションの合格者・約10人も加わり、ニューヨークの地下鉄はますます活気づき、にぎやかになりそうです。

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